当院では、初診時に「過去の怪我歴・病気歴」の聴取に力を入れています。
というのも、この歴史が身体の「コリ」に大いに関係してくるからです。
今回はそんな怪我とコリの関係についての話題になります。
①過去の怪我歴と「脊柱」
・どこかに身体をぶつけた
・捻挫をした
・突き指をした
・肉離れをした
こういった身体に対して「強い刺激」となるようなエピソードは全て対象になっていきます。
私たちは、その局所(捻挫なら足首、突き指なら手)には意識が向きます(痛いから当たり前)が、脊柱に関しては目を向けることはありません。
実際、身体では局所の痛みと同時に脊柱で対応する部位においても「反射」という仕組みを使って反応しています。
怪我をした際に、局所だけでなく、脊柱の反応部位でも適切に処理されていれば、その後にコリとして残すことはありません。
が、実際には残っているケースがほとんどかと思います。
この部位において処理されていない反応(=コリ)をそのまま残してしまい、後々痛みや可動域制限の元になってしまうというのが、深層筋治療を行う上での大事な考え方になっています。
②「くすぶり炎」の存在
怪我をした際には少なからず「炎症」が出現します。
炎症自体は身体の様々な反応を用いて、組織を修復させるため、身体にとっては非常に有用な反応になります。とはいえ、必ず「痛み」を伴うために、悪い印象がついてしまっているかと思います。
この炎症をしっかり勧めて完了させている場合、傷ついた組織の修復は万全になりますが、止めてしまった場合、あるいは進めなかった場合には「くすぶり炎」として残存します。
深層筋治療では、このくすぶってしまった炎症を再燃させ、組織の修復をもう一度進めましょうという目的で進めていきます。
③炎症と好転反応
最後に「好転反応」についてお話しします。
「炎症」を用いて施術を進めていくために、施術後数日間は施術部位、あるいは離れた部位において痛みが出ることがあります。
特にこれまで痛みを抑えてきたなどは溜め込んできた歴史があるために、その反応も強く出ることがあります。
どうしても、この時期はしんどいのですが、炎症反応がおさまってきて回復のサイクルに入ってくると、身体の状態は尻上がりに良くなってきます。
ここを耐えられるかが、中長期的に身体を良くしていく際のポイントになっていきます。
参考文献